
省エネレポート
社会福祉法人 みのり会 救護施設 あいこう園さま
利用者の快適な環境と節電を両立
九州電気保安協会では省エネに取り組む企業や施設の皆さまをサポートしています。
今回ご紹介するのは、生活保護法に規定する救護施設を運営する「あいこう園」さま。
施設長・髙比良宏輔さんに、入所者の生活環境を守る節電について語っていただきました。
要注意は冬の朝と夏の日中
当園の電気使用の内訳で最も比率が高いのは大勢の利用者の快適な環境を守るための空調設備です。そして厨房の電気機器。とりわけスチームコンベクションは空調の次に電力使用が大きい。その他、照明や大型洗濯機・乾燥機、エレベーターなど。居住スペースの随所に設置している電気温水器は、朝に皆が洗顔する際に大きく電気を使います。
節電を意識するようになったのは当園を改築した2013年。建物が3階建てで大きくなり居室も増えた分だけ電力量が増えることが気がかりで、電気使用量を把握するためにECOねっとシステムを導入しました。最初は目標デマンドを80kWに設定。電気の使い過ぎの警告アラームが鳴るのは空調機器がフル稼働する冬の朝方か夏の日中で、鳴るたびに空調の運転を間引きます。
手動による節電が限界に
間引きする空調は居室のない1階。それでも足りなければ比較的健康状態がいい利用者の居室がある3階も間引き運転しますが、人がいない談話ホールや洗濯室などの空調をカット。要観察・支援が必要な利用者の居室がある2階の空調は、体調管理が最優先なので絶対に止められません。また1階厨房の空調と調理機器も衛生管理優先なので止めません。朝の起床時間に空調を起動する際も一斉ではなく、4台あるなら2台ずつ30分刻みにするといった工夫もします。しかし、冬の5時〜7時の起床時に警告アラームが鳴ってもECOモニターを監視する職員が出勤する時間ではなく、そのままデマンドオーバーしたことが何度か続いたことから、自分たちだけで対応できないことを痛感。2023年に自動制御システムを導入しました。
警報発生時の停止作業が不要
自動制御システムは、ECOねっとシステムからの電気の使い過ぎ信号を受けて空調の出力を自動制御する装置。警報アラームが鳴って空調を手動で停止していく作業が不要になりました。警報が発生すると九州電気保安協会から「発生警報受信のお知らせ」メールが私のスマートフォンに送信されます。そのメールを見て「自動制御が作動するんだな」と思い館内を見回っても室温の変化が感じられませんでした。空調を止めず自動的に出力を落とした制御運転をすることで、室温の変化が少ないそうです。「弱風」が「微風」に変わるような感じ。空調の基本的な温度設定は夏が26℃、冬は24℃。春や秋の快適な日は窓を開けて自然の風を取り入れ、廊下だけ空調を運転して廊下から居室に風を入れるなどの工夫をしています。現在の契約電力は73.8kWで安定しています。
分解洗浄で冷暖房効率を維持
デマンド監視以外の節電としては、まず館内すべての照明をLEDにしました。消し忘れを防止するために随所に人感センサーを設置。西側の窓には遮光カーテンを配して夏の蓄熱を抑え、業務用扇風機を各階に置いて風通しをよくしています。また、当園では空調機器の更新を15年から18年と考えており、それまで性能を保つようにすべての空調を定期的に分解洗浄しています。定期的な洗浄で冷暖房効率が下がることがなく、電力消費を抑えることにもつながります。
当園の理事長からは「利用者の方に暑い思いや寒い思いをさせることは避けてください」と言われています。その安心・安全で快適な環境と節電を両立してくれたのが、ECOねっとシステムの自動制御。現状を意識しながら他の節電の手法も勉強していきたいと思います。
